たつみの自習室

2013年5月25日 土曜日

就業規則 1か月単位の変形労働時間制

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

今回のテーマである1か月単位の変形労働時間制のお話に入る前に、少しだけ特例措置対象事業場のお話をします。

特例措置対象事業場とは、一部の業種で、パートやアルバイトを含めて常時10名未満の事業場について、1週間の法定労働時間を40時間ではなく44時間に置き換えて運用してもよいことになっています。

その「一部の業種」というのに保健衛生業が入っていて、医療機関がそれに当たります。そのため、常時10名未満の職員で賄っているクリニックなどは特例措置対象事業場として1週間44時間以内で勤務シフトを組んでいるところがあります。

さて、本題の1か月単位の変形労働時間制ですが、これは1か月以内の一定の期間を平均して、1週間の労働時間が40(特例措置対象事業場の場合44)時間を超えなければ、ある特定の週に1日8時間もしくは週40(44)時間を超えて勤務させることができるという制度です。それの何がいいのかというと、法定時間外労働が発生しても割増賃金が発生しないので、人件費が抑えられるという話です。

制度の運用に当たっては、月の暦日数によって労働時間の限度が変わりますからその月々で計算しておきます。

月の暦日数 40時間労働制  44時間労働制
31日      177.1時間     194.8時間
30日      171.4時間     188.5時間
29日      165.7時間     182.2時間
28日      160.0時間     176.0時間

この計算は、例えば31日の月で44時間労働制を導入する場合、
31日÷7日(1週間)≒4.428週間(1月当たり)
44時間×4.428週間≒194.8時間(1月当たり)
となり、1月当たり194.8時間までは法定時間外労働に対する割増賃金なしに働かせることができるということを表します。

例えば上の例で、以下のようなカレンダー(〇月1日を起算日とする1か月間)であれば残業代が発生しないことになります。(赤字:休み青字:7時間労働、黒字:9時間労働)

日   月   火   水   木    金    土
                   1    2    3
 4    5    6   7     8    9   10
11   12  13   14   15   16   17
18   19  20   21   22   23   24
25    26   27   28    29   30    31 

第1週(1~3日)の 労働時間は21時間
第2週(4~10日) は35時間
第3週(11~17日)は42時間
第4週(18~24日)は42時間
第5週(25~31日)は54時間
この月の労働時間の合計は、194時間<194.8時間

この制度を導入する手続きは、1か月単位の変形労働時間制をやるということ、1か月以内の一定の期間とはいつからいつなのか、1日8時間とか週44時間を超える特定の週とはいつのことなのかを就業規則等に規定すること、あらかじめカレンダーやシフト表などで労働時間を定めておくことが必要とされています。

上の例の場合、職員数が常時10人未満なのでまだ就業規則を作っていなかったり、あったとしても届け出ていない可能性が高いと思いますが、その場合は労使協定を結び、労働基準監督署に届け出ます。


投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智

たつみ社会保険労務士事務所03-6317-8365