たつみの自習室

2013年5月18日 土曜日

公正な採用選考

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

企業には採用の自由が保障されています。それは憲法が認めていると最高裁判所が言いました。だから、間違いありません。

しかし、厚生労働省は「ご理解とご協力をお願いします」と言って、企業にいろいろと配慮するように求めています。

それは何かというと、職業上の適性や能力を採否の基準にするのはいいけれども、人権やプライバシーに関することは選考の際に尋ねるなというのです。

確かに、仕事をしていく上で全く関係のない個人的な(出生の秘密みたいな)ことは聞くべきではないでしょうが、これから一緒に働いていく仲間になるならば多少突っ込んだことも聞いておきたいのが正直な気持ちではないでしょうか。

例えば、宗教はどうでしょう。個人の思想信条に関わることですから、応募用紙に書かせたり、面接で尋ねたりするのは好ましくないということです。まあ、それはその通りでしょう。ただ、破滅的な新興宗教がこの世に存在することも事実です。そういう類の思想はお持ちでないという確証はほしいかなとも思います。

では、病歴を聞くのはどうでしょう。精神疾患の病歴を聞くのはまずくないでしょうか。人権とかプライバシーに属することではないでしょうか。

これもそうだろうとは思いますが、たぶん、聞いてもよいと思います。精神疾患だったら遂行できないという業務であれば、精神疾患ではないかどうかを聞かないといけないでしょう。本人にとっては答えにくいことだとは思いますが。

では、その病歴はあるけれども今は大丈夫だという場合はどうでしょう。難しいでしょうね。再発したらその職務には耐えられないという人を採用しても、満足に仕事ができなくなったら解雇を検討しなければならなくなる可能性が生じます。解雇は難しいんです。非常に重い荷を背負うことになりかねません。

でも、その病歴を理由にして不採用としたら問題にならないでしょうか。頭が痛いですね。とりあえず、不採用の理由は別のところにあったということになりましょうか。しかし、採用しなかった理由を明らかにしなければならないという法律はありません。

出くわしたくない場面だと思いますが、実際にはよくあることです。


投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智

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