たつみの自習室

2013年6月 3日 月曜日

就業規則 三六協定

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

労働基準法の根本にある考え方は労働者の保護です。使用者(経営者)の保護ではありません。

ですから、例えば労働時間の考え方も、使用者は1日8時間、週40時間以上労働者を「働かせてはいけない」という言い方になっています。

つまり、労働時間は1日8時間、週40時間以内に収めるのが大原則であって、1日8時間超、週40時間超働かせたら、法令違反だぞと言っているのです。この場合の罰則は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金です。

そんなことを言ったって、時間内に仕事が終わらなかったら延長してやるしかないではないか、という場合には、法令違反を法令違反でなくするような、特別な手続きを経なければならないのです。

使用者は、労働者を1日8時間超、あるいは週40時間超働かせたかったら、労働者にきちんと説明して、納得してもらって、同意を得て、その証拠になる書面を作って、役所に届ければ、ある程度までは時間をオーバーして働かせてもいいということになっています。

労働者にとって長時間労働は不利益なのです。安易に不利益な扱いをされないように、即ち労働者保護のために、法は使用者に足かせをはめているのです。

労働基準法第36条には、使用者が労働者の代表と約束して労働基準監督署に届け出たら、法定労働時間を超えて働かせたり、法定休日に働かせたりしてもいいよと書いてあります。

この約束を三六(さぶろく)協定と呼んでいます。

さて、この協定で何を書くかというと、どういう場合に時間外または休日労働するのか、どんな業務で行うのか、何人になるのか、といったことですが、特に注意が必要なのは次の二つです。

① 延長して働かせる労働時間の長さ

② 協定の有効期限

なぜこれに注意が必要なのかというと、限度があるからです。

①については、1日について延長できる時間、3か月以内の期間(よくあるのは1か月間)について延長できる時間、1年間について延長できる時間の限度が決まっています。

いくら労働者が残業OKといっても、無制限に残業させられては病気になってしまいますから、何時間までの残業ならいいよというリミットを3種類の期間で約束しておけということです。

厚生労働省の通達では、1か月間では45時間、1年間では360時間が限度となっていますから、それ以内の時間で協定を結ばないといけません(変形労働時間制や一部の事業には別のルールがあります)。

次に②です。

協定書には1年間の限度時間を書くことになっていますから有効期限は最短でも1年間ということになりますが、これについても通達が出ていて、有効期間は1年間が望ましいそうです。

毎年届けを提出する手間を考えて、有効期間を自動更新するという内容で協定を結ぶことは禁じられているわけではありませんが、これについてもやはり通達が出ていて、労使いずれからも異議が出なかった事実を証明する書面を労働基準監督署に届け出なさいということです。そうすると、手間は同じですね。

法律だけ呼んでも分からない細かい運用に関することは、通則とか通達などを読まないと具体的に動けない場合が多いのですが、そうするとその勉強に大きな労力がかかってしまいますから、やはり専門家や役所に聞きながらやるのが早くて確実だと言えるでしょうね。


投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智

たつみ社会保険労務士事務所03-6317-8365