たつみの自習室

2013年7月 8日 月曜日

雇用保険 失業の給付

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

例えば、43歳で勤続20年の人が自己都合退職して8か月間仕事をせず、自分を見つめる期間を過ごしたとします。そして、新たな気持ちで仕事を探し始めて、早めに就職が決まった場合に、雇用保険の失業の給付はどうなるのでしょうか。

まず、いくつかルールを確認しておきましょう。

この人は20年間被保険者だったということですから基本手当(いわゆる失業手当)の支給を受ける権利があります。離職前2年間のうち12か月以上被保険者期間があれば受給資格があるというルールです。

では、会社を辞めて8か月間は求職活動をしていませんが、これはOKでしょうか。

OKです。「受給期間」という言葉があるのですが、言ってみれば、基本手当をもらう有効期間のようなものです。いろいろと考慮すべき事情のある人はもう少し長くできるルールもありますが、原則は1年間です。

ただし、所定給付日数が残っていても、その1年が経ってしまったら、支給は終わります。

「所定給付日数」というのは、基本手当の支給日数です。年齢、被保険者期間、離職理由などの本人の事情によって日数は違うのですが、この人の場合、43歳で被保険者期間が20年で自己都合退職ということで、所定給付日数は150日です。

他に注意すべき期間はあるでしょうか。

はい、あと2つあります。

一つ目は「待期期間」です。

失業したら、まずハローワークに行って「求職の申し込み」と「離職票」の提出を行います。

ハローワークは受給資格を確認して「受給資格者証」をその人に交付します。受給資格者証というのは、基本手当をもらうときの失業の認定(4週に1回)のときに提示する証明書です。

で、早速その日から基本手当が支給されるのかというと、そうではなくて、「待期期間」は支給されません。

待期というくらいですから、「待て」という期間です。「お預け」です。

7日間は出ません。

就職が決まって「来週から来てね」と言われてからハローワークに行って手続きして仮に2日分でも基本手当を受け取る人が出てきたらよろしくありません。

基本手当は仕事を探している人の経済的サポートが目的ですから、探していない人にもばら撒いてしまうと保険料の無駄遣いになってしまいます。

なので、所定給付日数は、ハローワークに最初に行って8日目からスタートするということです。ここまで、原則です。

二つ目は「給付制限」です。

自分の都合で辞めたとか、自分が悪いことをして解雇されたとかいう場合は、「待期期間の満了後、1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない」と法律に書いてあります。

1か月以上3か月以内とか、職安長が決めるとか書いてありますけれども、現実は一律3か月です。

そうすると、例の人の場合、受給期間1年のうち、8か月は既に過ぎてしまい、待期の7日はお預けで、給付制限で3か月さらにお預けで、それでやっと支給が始まるということになります。

となると、受給期間は3週間くらいしか残っていない勘定になります。所定給付日数は150日ですから、このままでは気の毒な感じがします。


投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智

たつみ社会保険労務士事務所03-6317-8365