たつみの自習室

2013年7月22日 月曜日

労働組合

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

賃金や労働時間などの労働条件は、労働者と使用者(オーナー経営者)が対等の立場で決定されなければならない、ということになっています。

でも現実には、労働者は個人レベルで使用者と対等に労働条件の交渉をしようとしても相手にされない場合が多いので、束になって使用者と渡り合えるようにしようというのが労働組合です。

この、労働者が束になって使用者と交渉することは憲法で保障されていて、労働組合自体は労働者が勝手に集まって勝手に作ることができます。どこかに届け出なければならないということはありません。

が、一定の要件を満たして、規約を作って、労働委員会の資格審査を通ると、労働組合法に規定された保護や救済を受けることができるようになります。

例えば、法人として登記できるとか、不当労働行為救済の申し立てができるとかです。

そこで、労働組合法上の労働組合とはどういうものかということですが、簡単に言うと、次のような趣旨に合う団体であるということです。つまり、

①労働者が主体

当たり前のようですが、結構、線引きが難しい人もいるのです。

例えば、請負契約や委任契約の人はどうでしょう。パートやアルバイト、派遣社員はどうでしょう。

労働組合法上の「労働者」は、「他人に使用され、その指揮命令下で労務に服し、労働の対価として報酬を受け、これによって生活する者」です。これに当てはまるなら、労働者です。「雇用されている者」という限定はありません。

②労働者の自主的組織

言い換えれば、使用者側の人が混ざっていてはいかんということです。

混ざってはいけない人→役員は当然です。

他に、雇用、解雇、昇進、異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者。例えば、工場長とか人事課長とかです。労働者ならみんなOKということではないのです。

人事・労働関係について機密の事務を扱う人も使用者側とみなされますから、秘書とか労務担当の上の人なんかも、労働者であっても、組合には入れません。

また、使用者から経理上の援助を受けるのも労働組合としていかがなものかと言われます。

例えば、組合の専従役職員の賃金を使用者が負担するのはダメです。ストや組合の大会に出席した労働者の賃金を使用者が負担するのもダメです。けじめをつけろということでしょうか。

でも、労働時間中の団体交渉に出席した労働者の賃金を使用者が負担するのはOKです。組合の福利厚生基金に使用者が寄付するのもOKです。最小限の組合事務所を使用者が提供するのもOKです。

ちょっと微妙でしょうか。

③主目的は労働者の経済的地位の向上

つまり、他の目的で労働者が集まっても組合として認めないよということです。

例えば、従業員の親睦会みたいなのはダメ。共済事業や福利事業ばかり行う労働者団体も労働組合にはなりません。政治活動、文化活動、社会活動などがメインになるようなら、それもダメです。

ただ、メインではなくて、労働者の経済的地位の向上のための活動の一環としてやっている付帯事業なら問題はありません。

ということで、元に戻りますが、労働者が団結して、団体交渉その他の団体行動をする権利は憲法で保障されています。

それは何を言っているのかというと、使用者は労働組合から団体交渉を求められたら拒否できないということです。

最近、非正規社員が個別に切られても泣き寝入りせずにパートユニオンとか派遣ユニオンとかに加入して会社と闘う話を聞くことが増えましたが、それはつまり、必ず話を聞いてくれるからなんですね。

投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智

たつみ社会保険労務士事務所03-6317-8365