たつみの自習室

2013年7月30日 火曜日

パートタイマーに業務委託?

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

例えば、販売データの入力作業は出勤してもらわなくてもできる業務なので、パートタイマーの従業員に自宅でやってもらうことにしました。労働時間の管理が難しいので業務委託(請負)の形でお願いしています。

これは問題ないでしょうか。

労働の実態をもっと詳しく聞かないと問題点の指摘はできませんが、まずい部分があるかもしれないという感じがします。

なぜなら、パートタイマーは短時間労働者であって、その給料は時給いくらで何時間働いてなんぼという計算でしょう。

業務委託は完成した仕事の結果に対して報酬を払うものですから、上の例でいうと、例えば販売データ3000件分の入力結果に対していくらという報酬です。時間給とは違います。

つまり、委託業務としていながら時給制の人にやってもらっているというご質問自体、どうも分かっていらっしゃらないのではないか、まずい運用をされているのではないかと思わせるのです。

考えられる問題点としては、その入力作業にかかる実際の時間(実はすごく長時間かも)に関係なく、取り決めた一定額しか払っていない場合、最低賃金(東京都は850円/時)を下回る不当な労働条件で働かせているのではないかと疑われかねません。

また、その人は実態として会社に雇用されており社会保険の被保険者になるはずなのに、会社が保険料逃れのために偽装契約していたとも見られかねません。

業務を行う場所がどこであれ、時間管理ができて、上司の指揮・命令に従って作業をしているのであれば、時間給でいきましょう。正真正銘の従業員ですから。当然、雇用契約書も交わし、就業規則も適用します。

業務委託であれば、会社からの指揮・命令はナシ。労働時間の拘束もナシ。報酬は時給とか日給では計算しません。求められるのは結果だけですから、作業は本人以外の人がやっても問題ないはずです。業務を受ける・受けないの自由もあるはずです。従業員にやらせるのではなく、外部の業者にアウトソーシングするわけですから。

残業代を払いたくない、在宅でやってもらったら人件費が抑えられる、などと安易に考えて不当な手続きで業務委託に走るとトラブルに陥りやすくなります。

リスクを背負って違法まがいの行為に手を染めるよりも、その業務をどう処理したいのかを正しいルールの下に決めて、その実態に合った契約を交わして事業を進めていくことの方が、結局は従業員との信頼や協力関係をうまく築けて、長期的な利益に結びついていくものと思います。


投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智

たつみ社会保険労務士事務所03-6317-8365