たつみの自習室

2013年8月26日 月曜日

留学生卒業後の社員採用

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

日本に来ている留学生が大学などを卒業後、引き続き日本の企業に就職して日本に住み続けるという場合、注意しなければならないことがあります。

在留資格です。

日本で働くことができる外国人は高度な専門的能力を持った人材に限られています。

それは何を意味するかというと、「留学」という在留資格を持った外国人が日本の企業に就職するには、その留学によって学んだ専門的知識を生かした仕事に就くのが当然ではありませんか、という考え方です。

つまり、留学先の大学や大学院での学部・専攻と就職先での仕事内容にきちんとした関連性がないと、日本で働くための在留資格への変更は難しいと言えます。

これは技術系の人であればほぼ確実に問われるポイントになります。

また、雇い入れる会社側として、なぜその人である必要があるのか、企業としてその人を雇うことにどんなメリットがあるのか、という点も必ず押さえられます。

ただし、その専門性については、留学時の専攻=就職先企業の業種といった表面的なマッチングを指すものではありません。

例えば、生物科学系の専攻だった人でもIT関連の会社に就職して在留資格を変更できたりします。

IT、投資、シンクタンク、コンサルティングといった業界ではいろいろな分野の専門家を必要としていますから、こういうことは十分ありうることです。

一方、専攻と業種に関連があっても、職種が見当違いだと認められません。

例えば、機械工学専攻だった人がエンジニアリング系の会社に就職するのはいいのでしょうが、そこの経理部に所属するのでは整合性がないと言われるでしょう。

でも営業なら有り得るかもしれませんね。専門知識がないと売り込めないということもありますから。

要は、雇い入れる企業がその人の専門性を生かしたポジションで活躍してもらうつもりだから就労の在留資格をください、と個別具体的にその人材の活用法を中長期的に見据えて入管に申請するということで、入管の審査官がそれをよしとするかどうかです。

ただ、そうすると今度は、配置転換が難しくなります。

日本人の場合は、将来の幹部候補生として、2、3年おきにいろいろな部署を転々として経験を積ませることがよくありますが、外国人の場合は上記のような縛り(認められた在留資格)の中でしか活動してはいけないからです。

仕事内容が変わる場合には、その都度在留資格変更の許可をもらわなければなりません。

会社としては、当然、その合理的な理由を説明する必要があります。

なぜ専門が〇〇であるA氏がこの業務からその業務に変わる必要があるのか、A氏の持つ専門的知識と新業務との合理的な関連は何か、会社にとってこの変更にはどんなメリットがあるのか・・・。

仮に、在留資格変更許可なしで勝手に職務を変えた場合には不法滞在・不法就労ということになり、罰せられます。

注意・指導されても真剣に対応しないとか、書類を偽造して許可を得ようとしたとか、悪質であると判断されれば本人は退去強制(国に帰りなさいと言われること)になりますし、会社もこれ以降の外国人の雇入れは難しくなるでしょう。

外国人の採用や配置転換は本人にとってはその後の人生に関わる重要な岐路ですし、それだけに企業はしっかりその人の活かし方を考えて、慎重に確実に手続きを進めなければならないと思います。


投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智

たつみ社会保険労務士事務所03-6317-8365