たつみの自習室

2013年5月31日 金曜日

就業規則 裁判員休暇規定

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

裁判員制度に基づき裁判員候補者、選任予定裁判員、裁判員、あるいは補充裁判員となって裁判所に出頭することになった場合の規定を考えてみましょう。

まず、対象者の範囲を決めておきます。特に裁判員休暇を有給とする場合は重要です。パートなど非正規従業員に払うのかどうか。

そしてその賃金ですが、有給なら有給で、その日の所定労働時間労働した時の賃金なのか一定の額なのか、裁判所から支給される日当や交通費をどう考えるのかをはっきりさせておきます。

ちなみに裁判所からは、裁判員候補者、選任予定裁判員には8000円を上限に、裁判員、補充裁判員には1万円を上限に日当が支払われます。その他裁判所が決めた交通費、必要があると認められた場合には宿泊費が支給されます。

例えば、裁判所からの日当は会社が回収し、例えば勤務先である病院から所定の手当を出すという場合、裁判所から1万円、病院からの手当が5000円などという、本人が不利益を被るような規定はダメです。

裁判所からの日当は本人がもらうとして、病院が決めた額(例えば1万5000円)との差額を本人に手当として支給するという形は大丈夫です。

次に、裁判員休暇を取得する手続きを規定しておきます。出頭日の通知の写しなどを添付して5日とか1週間以内に病院に届け出るように規定します。

そして、裁判が終わって仕事に戻ったときには、裁判に参加した証明を提出するようにします。確認の意味です。

裁判所は裁判員候補者には呼び出し状にある出頭証明欄にスタンプを押してくれますし、裁判員として審理に参加した人には別途証明書を発行してくれます。

他には、職員を雇用する病院の姿勢や立場を示しておくとよいと思います。

例えば、裁判員として裁判所に向かう途中で事故に遭った場合は労災ですが、これは病院職員としての通勤災害ではなく、国家公務員災害補償法の適用を受けます。

あるいは、その職員が裁判員に選任されたことや裁判員として審理に参加したことを理由にして、解雇などの不利益な扱いをしてはいけません。

さらに、その職員が裁判員制度の裁判員候補者になったことや裁判に出頭したことなどの情報は、本人の同意なく、公にしてはいけません。

以上のような規定を用意しておくことで、突然職員の手元に呼び出し状が届いても、落ち着いて対応できるのではないでしょうか。

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2013年5月29日 水曜日

就業規則 裁判員に選ばれた場合

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

裁判員制度で裁判員に選ばれて裁判所に行くのは公民権行使の一つです。

一般的に、就業規則には、選挙の投票に行くときなどの公民権行使の規定はあると思います。

が、裁判員制度に関しては、他の公民権行使と異なることが多いため、同じ規定の中で処理するのはトラブルの元になります。別途、項目を立てた方がよいでしょう。

裁判員になると、法廷での審理に参加するわけですから、実際に裁判所に行かなければなりません。

約7割の事件が3日以内で終わるとされていますが、残り約3割のうち、約2割が5日くらいまでかかり、約1割が5日超かかると言われています。

例えば病院の職員が裁判員に選ばれて裁判所に行くことになったら、その間は当然仕事ができません。しかも、開廷日は間隔をおかず連続することになっているため、最低でも3日間は続けて裁判所に拘束されることを想定しておかなければなりません。

仕事があるからといって裁判員になることを辞退できるかというと、なかなか難しいのかなと思います。

辞退できるのは、「事業場の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じる恐れがある」場合とされていますが、病院としては、他の職員で代われない仕事なのか、予定していた日程は変更できないのか、その人がいなくてどれほどの影響があるのかといったことを証明しなければならず、病院としてその人に辞退させることは難しい気がします。

さて、それでは、職員が裁判員として裁判所に行くことになったら、の話です。

ポイントとなるのは、仕事を休む数日間を有給とするのか無給とするのかでしょう。

大きい病院であれば有給としているところが多いようですが、診療所などでは費用負担が馬鹿にならないので悩ましいところです。

だからなおさら、就業規則上の規定としてきちんと決めておかないと、現実にそういう人が出てきたときにトラブルになりかねないと言えます。

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2013年5月28日 火曜日

就業規則 生理休暇・育児時間

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

生理日に関して、労働基準法では「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定しています。

この規定を根拠に就業規則をどう書くかをお話ししたいのですが、職員が誤解しないように、必要なことを押さえていきます。

まず、生理日なら自由に取得できるというものではないことをはっきりさせておきたいので、①生理日、かつ、②就業が著しく困難であることを条件とします。

次に、1日単位で取得しなければならないとは法律上規定されていないので、半日単位とか時間単位とかにしても就業規則上はかまいません。

第三に、休暇を取得した時の給料のことも就業規則には規定しておきましょう。無給なら無給とはっきり規定します。別冊の賃金規程の方に記載している会社も多くありますが、そこまでよく読まない職員こそトラブルになりやすいものですから、就業規則本体に書いておくのが無難です。

また、育児時間については「生後満1歳に満たない生児を育てる女性は、休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てる時間(育児時間)を請求できる」と労働基準法に規定されています。

ここで気になるのは「1日」の意味ですが、これについては厚生労働省から通達が出ています。

この1日は8時間労働を想定しており、1日4時間以内の勤務の場合は1日1回少なくとも30分でよいということになっています。

従って、例えば、半日単位の有給休暇が取得できる職場で半日の有休を取得した場合は1回30分の育児時間を与えればよいことになります。

就業規則には、こういう場合は1回という文も入れておくとよいと思います。

また、生理休暇と同様、給料についても書いておくとよいでしょう。無給のところが多いと思いますが、もちろん有給もありです。取得時間分を給料から引く処理は面倒ですし。

なお、労働基準法にある育児時間の規定は本来授乳を目的とした時間ですから、請求のタイミングについては言及されていません。あなたの赤ちゃんには何時におっぱいをあげなさいという定めはできないということです。

が、今の時代、託児所への送り迎えなども育児時間と考えると、始業時刻後30分、終業時刻前30分という取得もありうるでしょう。

そうすると、法律の条文ではまだ「女性」に限って認められる時間になっていますが、将来はきっと「労働者」に置き換わるんでしょうね。

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2013年5月27日 月曜日

就業規則 労働時間と賃金

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

働く職員(労働者)にとって労働時間と賃金の関係はとても重要です。

職員としては、働いた分はもらわないと割に合いません。「働いた分」というのは「働いた時間」のイメージですね。つまり、労働時間と給料の額は連動しているとの認識が強いものです。

今は医療機関を例にしてお話ししていますので、経営(使用者)側の代表を院長としますが、その院長としては、具体的な診療に結びついた業務に対してはお金を払う気持ちがあるかもしれませんが、中身を問わない「時間(出勤時刻から退勤時刻までの時間-休憩時間)」に対して無条件に給料として払う気にはなかなかならないのではないでしょうか。

やはり、経営者としては、職員に支払う賃金について、月〇〇時間の労働に対して、基本給いくら、〇〇手当いくら、社会保険料いくら、超過勤務の月平均約〇時間でいくら、そのうち法定時間外労働〇時間で割増賃金いくら、賞与いくら、トータルで前月の支給額いくらという詳細は毎月確認し、人件費総額と収入に対する割合の変動には注意を怠らないようにすべきだと思います。

さて、前回の続きになりますが、所定労働時間が1日8時間、週40時間の病院で出勤日数が年240日のAさんなら、1か月の出勤日数は20日、労働時間は160時間となり、年間では1920時間となります。これが1日7時間労働で他の条件が同じBさんなら、1か月の労働時間は140時間で、年間では1680時間となります。

AさんとBさんの1か月の給料が同じ25万円だとしたら、どうでしょうか。

AさんとBさんの年間の所定労働時間には240(=1920-1680)時間の差があります。同じ給料でAさんはBさんの1.7(=240÷140)か月分も長く働いていることになります。

時給に換算するとAさんは1562円、Bさんは1785円となり、仮に両名が月180時間働いたとすると、法定時間外の割増を加味して、その月の給料はAさんが28万9050円、Bさんは33万325円となり4万円以上の差が出ます。

(注)Aさんは20時間の法定時間外労働で0.25倍の割増があります。
したがって、25万円+1562円×(1+0.25)×20時間=28万9050円
Bさんは40時間の超過勤務ですが、そのうち20時間は法定内なので割増がなく、それ以降の20時間は法定外なので0.25倍の割増があります。
したがって、25万円+1785円×1×20時間+1785円×(1+0.25)×20時間=33万325円

職員からすれば、Bさんの所属する病院は優しい職場で、定着率もよいかもしれません。一方、Aさんの病院は職員に厳しいところで、入れ替わりの激しいところかもしれません。そうすると、新しい職員に対する引継ぎも頻繁で、本来の業務がスムーズにいかないかもしれません。

一方、経営(院長)側の立場から考えると、Bさんの病院はコストがかかります。設備や患者へのサービスにお金を回すことが難しく、他の医療機関との競争力が劣ってしまう懸念もあります。

大切なことはバランスということになるでしょうが、規模が小さく、これからいろいろ整備していこうというところであれば、所定労働時間は1日8時間がよいと思います。

病院・診療所の運営が効率よく回るようになったら、所定労働時間を短くするなり給料を上げるなりして、職員によりよい条件で働いてもらえるように変えていったらよいと思います。

少なくともルールや体制が整っていない間は業務の効率は上がりません。余計な時間もかかってしまい、法定時間外の超過勤務も生じる可能性が高くなります。その分の割増賃金は経営に重くのしかかってきてしまいます。

投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智 | 記事URL

2013年5月27日 月曜日

就業規則 労働時間と出勤日数

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

給料と労働時間の関係は、就業規則を作成する際に最も悩む部分と言えます。

言い方を変えると、就業規則を作るまではこの部分を真剣に考える人が意外に少なく、労働条件を明文化する作業を行ってみることで改めて時間管理の重要性が認識できたりするのです。

組織が小さいうちに早く就業規則を作りましょうと私が訴えている理由はここにあります。

例えば医療機関(クリニック)の場合、職員数が10名に達したころに就業規則を労働基準監督署に出さなければならないと聞いて慌てて作ったという場合、昔勤めていた事業所のものを探してきたりネット上のひな形を頼りにしたりすることが多いでしょう。

そうすると自院の規模や状況がきちんと考慮されていない、結果的に自分の首を絞めるルールを作って役所に出してしまうことになる危険性が高いのです。

さて、まずは出勤日数を考えてみましょう。イメージしやすくするためには診療日カレンダーを作ってみるとよいと思います。1年のカレンダーを用意して、休日を分かりやすく色分けしていきます。

クリニックだと、休診は日曜日(年52日)、祝祭日(土日以外13日)、お盆(5日)、年末年始(土日以外3日)といったところでしょうか。

週40時間(10人未満なら44時間ですが)の法定労働時間の関係で勤務は週5日という場合が多いでしょうから、職員は交替制で更に平日に1日(年52日)休むことになるでしょう。

そうすると、年間の休日は52+13+5+3+52=125日となります。これは365日の34.2%に当たります。3日に1日は休む勘定です。

更に有給休暇が20日あって、全部消化するとすると、年間のお休みは145日となり、1年の39.7%に上ります。4割休むのですから、3日働いて2日休むイメージです。こうしてみると、結構休みは多いですね。

これを所定の出勤日数に置き換えると、有休は除きますから、365-125=240日となります。1か月当たり20日です。

1日8時間の所定労働時間だったら、1か月で160時間、1年で1920時間です。1日7時間の所定労働時間だったら、1か月で140時間、1年で1680時間です。

所定労働時間が8時間と7時間では、年間で240時間も労働時間が違ってくる勘定です。これを給料にして考えるとどうなるでしょうか。単純に時給1000円として24万円、それが10人として240万円です。

経営者(院長)は真剣に考えざるを得ませんね。

投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智 | 記事URL

2013年5月25日 土曜日

就業規則 1か月単位の変形労働時間制

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

今回のテーマである1か月単位の変形労働時間制のお話に入る前に、少しだけ特例措置対象事業場のお話をします。

特例措置対象事業場とは、一部の業種で、パートやアルバイトを含めて常時10名未満の事業場について、1週間の法定労働時間を40時間ではなく44時間に置き換えて運用してもよいことになっています。

その「一部の業種」というのに保健衛生業が入っていて、医療機関がそれに当たります。そのため、常時10名未満の職員で賄っているクリニックなどは特例措置対象事業場として1週間44時間以内で勤務シフトを組んでいるところがあります。

さて、本題の1か月単位の変形労働時間制ですが、これは1か月以内の一定の期間を平均して、1週間の労働時間が40(特例措置対象事業場の場合44)時間を超えなければ、ある特定の週に1日8時間もしくは週40(44)時間を超えて勤務させることができるという制度です。それの何がいいのかというと、法定時間外労働が発生しても割増賃金が発生しないので、人件費が抑えられるという話です。

制度の運用に当たっては、月の暦日数によって労働時間の限度が変わりますからその月々で計算しておきます。

月の暦日数 40時間労働制  44時間労働制
31日      177.1時間     194.8時間
30日      171.4時間     188.5時間
29日      165.7時間     182.2時間
28日      160.0時間     176.0時間

この計算は、例えば31日の月で44時間労働制を導入する場合、
31日÷7日(1週間)≒4.428週間(1月当たり)
44時間×4.428週間≒194.8時間(1月当たり)
となり、1月当たり194.8時間までは法定時間外労働に対する割増賃金なしに働かせることができるということを表します。

例えば上の例で、以下のようなカレンダー(〇月1日を起算日とする1か月間)であれば残業代が発生しないことになります。(赤字:休み青字:7時間労働、黒字:9時間労働)

日   月   火   水   木    金    土
                   1    2    3
 4    5    6   7     8    9   10
11   12  13   14   15   16   17
18   19  20   21   22   23   24
25    26   27   28    29   30    31 

第1週(1~3日)の 労働時間は21時間
第2週(4~10日) は35時間
第3週(11~17日)は42時間
第4週(18~24日)は42時間
第5週(25~31日)は54時間
この月の労働時間の合計は、194時間<194.8時間

この制度を導入する手続きは、1か月単位の変形労働時間制をやるということ、1か月以内の一定の期間とはいつからいつなのか、1日8時間とか週44時間を超える特定の週とはいつのことなのかを就業規則等に規定すること、あらかじめカレンダーやシフト表などで労働時間を定めておくことが必要とされています。

上の例の場合、職員数が常時10人未満なのでまだ就業規則を作っていなかったり、あったとしても届け出ていない可能性が高いと思いますが、その場合は労使協定を結び、労働基準監督署に届け出ます。

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2013年5月25日 土曜日

就業規則 仮眠時間

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

例えば医療機関の場合、病院に限らず小規模の診療所においても、主に産科婦人科が該当するかと思いますが、入院施設を持っているところがあります。

こうした入院施設では看護職は昼夜の2交代勤務または3交代勤務を行っていますが、夜間の勤務シフトの場合、勤務時間が例えば15時間などになっていることがあります。

この15時間は、その全てが患者対応に追われているわけではなく、仮眠時間を含んでいます。さて、この仮眠時間は労働時間としてカウントしなければならないでしょうか。それとも、給料に反映しない休憩時間でしょうか。

答えは、労働時間です。

この仮眠時間は、院長(使用者)の指揮命令下から完全に解放されているわけではありません。突発的な事態が起こればすぐに対応しなければならず、少なからず緊張感を持って仮眠することになります。

従って、労働時間としてカウントすべき時間となります。

この他、比較的規模の大きい医療機関では、通常の診療時間が終わってから関係者が集まり「業務改善委員会」や「ヒヤリハット対策研究会」などといった話し合いがもたれることがあったりします。

こういった活動では、参加する職員が指名されていたり、参加しなければ不利益な扱いをされることがあります。つまり、活動の参加は強制的なものであり、院長の指揮命令下にあると認められます。

従って、やはり、労働時間としてカウントすべき時間となります。

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2013年5月25日 土曜日

就業規則 休憩時間

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

例えば診療所の場合、その多くでは、多少の前後はありますが、以下のような診療時間を設定しています。

午前の診療時間: 午前9時~午後12時30分
午後の診療時間: 午後3時~午後6時

こうした勤務体制においては、午前と午後の診療時間の間に2~3時間あり、この時間は診療所内で診療はしないものの、院長が往診に出かけたり、製薬会社や清掃会社などが来て、職員がその対応をする場合があります。

往診の場合、同行する看護師は業務そのものですから労働時間としてカウントしますが、同行せず、院内に残ってテレビを見たり雑誌を読んだりしながら製薬会社や清掃会社の人が来たら対応するという場合は労働時間としてカウントしなければならないでしょうか。それとも休憩時間でしょうか。

答えは、労働時間です。

その時間中に業者が来たら診療所の者として対応しなければならず、院長には後で当然報告しなければならないでしょう。逆に、業者が来ても放ったらかしにして院長にも報告もしなかったら、院長からきちんと対応して報告しなさいと注意指導されるでしょう。

つまり、この時間は業務の待機時間であって、経営者(院長)の指揮命令下に置かれている状態と考えられます。拘束されている時間なのです。

休憩時間とは、労働者が労働から離れることを権利として保障されている時間を意味しています。当番で、電話がかかってきたら対応する昼休みも休憩時間ではありません。

休憩時間の意味を誤解していると、休憩時間を与えずに働かせたとか、労働時間に対して賃金を正しく支払わなかったとかいうトラブルにつながり、法的な判断の場に出ると、院長が負けることになります。

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2013年5月23日 木曜日

就業規則 始業・終業時刻

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

タイムカードで勤怠管理しているところは、打刻することで遅刻や早退のチェックをしているわけですが、そういうことよりも、印字された時刻をもとに労働時間を計って給料に反映させていることが重要だといえます。

始業とは業務を始めるということです。業務が始められる状態になって初めて始業時刻です。会社の玄関に入った時刻ではありません。また、終業とは業務を終えるということです。玄関を出る時刻が終業時刻ではありません。

給料というのは、仕事をした時間に対して払うものですから、打刻時刻で給与計算するのであれば、その時刻は仕事の始まりと終わりの時刻であるべきです。

この始業時刻・終業時刻の意味を就業規則にきちんと書いて、職員に意識してもらいましょう。

運用面でもいろいろと努力しているところがあります。例えば、朝は始業10分前まで玄関の鍵を開けないというところがあります。無用な早出残業をさせないということです。

また、タイムカードとレコーダーは上司から見えるところに設置しておきます。残業は時間外指示書を出して行わせるようにし、指示書なしの残業は認めないようにします。業務が終わったら打刻し、さっさと帰るように指導します。

労働基準監督署に調査に入られた場合、まずタイムカードがチェックされます。法定労働時間が守られているか、残業があるか、残業があるなら協定書が提出されているか、時間外労働に対する割増賃金が正しく計算されているか、賃金台帳と整合性があるかなど、チェック項目の宝庫です。

タイムカードに印字された時刻が労働の実態と見られますから、支払われた時間外給与のもとになっている残業時間とタイムカードの記録とがかけ離れていたら、これはしっかり追及されます。

就業規則に従って正しく働いてもらい、それに対して正しく給料を支払うという真っ当な取り組みがトラブルを防ぎます。

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2013年5月23日 木曜日

就業規則 退職者の義務

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

職員に貸与していた物は退職の日までに返却してもらわなければなりません。辞める人にとって会社からの貸与物は不要なだけでなく、悪用される原因になりかねません。どこかで悪用されたら追及が難しくなりますので、退職時にきっちりと返してもらう規定を作っておきましょう。

就業規則に一般的にみられるのは、「貸与物は退職の日までに全て返却しなければならない」という簡潔な一文ですが、できる限り具体的に返却物を列挙して、最後に押さえ残しのないように「その他会社から貸与されたもの」と締めくくるのがよいと思います。

貸与物として押さえておきたいものは、健康保険証、職員証、玄関やロッカーの鍵、病院名入りの名刺、制服、病院のマークやロゴの入った徽章、パソコン、携帯電話などでしょうか。

鍵などは当然ですが、健康保険証は身分証明として使われる場合がありますから、後で金銭的な事件に関係してしまう危険性も否定できません。制服などもオークションに出品されたりすると、その後どこで何に使われるか分かりません。

なお、健康保険証を回収することができなかった場合には「健康保険証回収不能届」という書式がありますから、加入している協会けんぽまたは健保組合に提出しましょう。

目に見える物はそんなところでよいと思いますが、情報やソフトウェアは返却といっても難しいものがあります。ですから、「退職後の情報の取り扱いに関する誓約書」といったような書面を提出してもらって、情報漏えいのないように手を打っておきましょう。

業種によっては情報アクセス規程を別途作成して、在職中の情報管理を徹底しているところもあります。退職が決まったとたんに社内ネットワークにアクセスできないようにするところもあり、さらに厳しいところでは自席にすら座らせない会社もあるようです。

例えば医療機関などでは、患者の個人情報をはじめ、一般の人には扱えない薬物や放射線を管理する情報も行き来します。念入りに規定を整備しておくことをお勧めします。

投稿者 たつみ社会保険労務士事務所 水本智 | 記事URL

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