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コラム

雇用保険 資格取得届が遅れたら

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

雇用保険では、被保険者の資格を得る日は原則として雇用された日になります。

当たり前のことのようですが、でも、雇用されたという事実をもって自動的に資格取得の効力が発生するわけではありません。

つまり、「資格取得日=雇用された日」となるには正しく手続きされる必要があるのです。

手続きが正しく行われないと、資格取得日は違う日になる可能性が出てきます。

会社は人を雇うと、公共職業安定所に「被保険者資格取得届」という書類を出さなければなりません。

いつまでに出すかというと、雇い始めた翌月の10日までに出します。

そうすると、厚生労働大臣(というのは法律上の話で、実務上は公共職業安定所長で、もっと言ってしまえばハロワの担当者)の「確認」という手続きが行われて、初めて「資格取得」ということになるのです。

この場合、資格取得日は、確認のあった日付ではなく、資格取得の事実があった日(雇用された日)です。

ということで、資格取得には「確認」がないとダメなのです。

では、その「確認」が大きく遅れてしまったら、どうなるのでしょうか。

例えば、5年前の平成20年7月6日に雇用された人の資格取得日は、本当なら平成20年7月6日ですね。

でも、その会社がそのときに届出をしないで放ったらかしにしていて、実際の届出日が平成25年7月10日としましょう。

職安では「確認」の作業をして、その人の資格取得日を平成20年7月6日とするか、というと、しません。

その人の資格取得日は平成23年7月10日になります。つまり、確認の日の2年前の日です。

それ以前の期間は、雇用保険的には被保険者として認められません。

被保険者期間は、失業した場合の基本手当(いわゆる失業手当)の受給期間に反映されますから、認めてくれなかった3年間分、受給期間が短くなることになります。

会社がこの人の入社以来ずっと雇用保険料を払っていなかったら、2年前まで遡って徴収されます。

「2年」というのは保険料の徴収についての「時効」なんですね。

2年前より昔の保険料は徴収できないから、それなら被保険者期間も認めてあげるわけにはいかないという理屈です。

本人にしてみれば不幸な話です。

雇用保険料(失業等給付に関する分)は労使折半ですから、これでもし、この人が、入社以来5年間ずっと給料から保険料を天引きされていたら、3年分はドブに捨てたことになります。

これはかわいそうです。

ということで、平成22年10月に法改正がありました。

本人負担分の保険料がちゃんと天引きされていたということが証明できて(当時の給与明細をもっていたとかで)、職安に届出がされていなかったことを知らなかった場合には、明らかにできた時まで資格取得日を遡れることになったのです。

給与明細はとっておきましょうね。

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