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コラム

雇用保険 被保険者番号は一つです

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

会社を辞めたことがない人の多くは自分の被保険者番号を知らないのではないかと思います。

雇用保険の被保険者番号は、学校を卒業して会社に就職して初めて雇用保険の被保険者になったときに付けられます。

そしてその番号の入った被保険者証が交付されるのですが、これは健康保険証のように会社経由で本人に渡されることは少ないようで、実務上は会社がずっと保管していることが多いと思います。

だから、自分の被保険者証を見たことがないまま、ずっとその会社に勤めて定年を迎えることもありうるのです。

それでいいのでしょうか。

大抵は問題ないですね。

なぜでしょうか。

被保険者証は、会社を辞めて失業したときにハローワークで手続きして失業等給付を受けるときに必要なものだからです。

つまり、退職しなければ、被保険者証は使わないのです(ただし、助成金や教育訓練給付の手続きで番号を使うことがありますが、会社が手続きを進めるので本人は知らないままのことが多いと思います)。

なので、自分の被保険者番号の認識なしに10年、20年と一つの会社で働いたのちに退職することになって、会社から被保険者証が送られてきても、ただの紙切れ1枚にしか感じないことが多いのだと思います。

失業給付を受けるつもりで手続きを確認して初めてその紙切れの意味に気づくのだと思いますが、例えば、その人がすぐに個人で独立開業し、雇用保険とは無縁の仕事を始めた場合、被保険者証は紙切れのまま忘れ去られる可能性が高くなりますね。

そうして数年後にまたある会社に就職した場合、あるいは、退職して間髪入れずに次の会社に就職した場合でも、人事の人に「雇用保険の被保険者証を提出してください。」と言われて「そんなものは知らない。見たこともない。」と答えてしまう場合もよくあるようです。

そうすると、会社としては新たに被保険者資格を取得する手続きを職安で行うことになります。

結果、一人で2つの被保険者番号を持つことになります。

これは、本人にとって不利益になることがあるので、実は古い被保険者番号があったと気がついたらすぐに職安に説明して、正しい状態にしてもらうべきです。

何の不利益があるかというと、被保険者期間が通算されません(一つの番号でもフリーの期間が長い場合は通算されませんが)。

被保険者期間は長ければ長いほど、基本手当(いわゆる失業手当)をもらう場合に所定給付日数が長くなりますから、それが通算されないとなると、失業期間中の経済的安心感が違ってきますね。

一人で被保険者番号を2つ持つことになってしまった場合には、最初に交付された古い方の番号を生かします。

つまり、新たに取ってしまった被保険者番号をつぶして、元から持っていた古い方の番号につなげる作業を職安でやってもらうことになります。

これは会社が退職者にちゃんと説明して、一生に一つの番号だから大事にしまっておくように伝えておけば避けられたかもしれない作業ですね。避けたいです。

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