雇用保険 離職者の手続き
こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。
雇用保険の被保険者(労働者)が離職した場合の事業主の行う事務手続きは、
①資格喪失の届出
②離職証明書の提出
の2つです。
①の資格喪失届は被保険者が被保険者でなくなった時に公共職業安定所に出す書類です。
被保険者が被保険者でなくなった時というのは、主に会社を辞めた(離職した)時ですが、他には、社内での立場が労働者から経営者に変わった(取締役になった等)時に被保険者資格を喪失します。
で、職安に届け出るタイミングは、その事実があった日の翌日から10日以内ということになっています。
まだるっこしい言い方ですが、簡単に言えば「さっさと出せ」ということです。
離職による資格喪失の場合は、その離職した人が早く失業給付をもらう手続きに入りたいでしょうから、会社としては一日も早く手続きしてあげるべきでしょうね。
②の離職証明書は、資格喪失が離職の場合に、資格喪失届と一緒に出すことになっています。
職安は、この離職証明書を元に離職票を作成して、会社経由で本人に交付します。
本人はその離職票を持って職安に行き、求職の申し込みをして、失業給付を受ける手続きをします。
つまり、離職票は失業給付の引換券みたいなもので、その元になるのが会社の提出する離職証明書なわけです。
ということで、職安で求職しない人、失業給付をもらわないつもりの人は離職票は必要なく、離職証明書も必要ないことになります。
なので、会社を辞める時に「離職証明書は要りません」と言えば、会社は離職証明書を作成する必要がなくなります。
ただし、後になって「離職証明書が必要になりました」と言ってきたら、会社はちゃんと作成して本人に交付してあげなければなりません。
「今更そんな面倒なこと言われても困る。ダメだ。」と断るのは法令違反ですので、面倒でも、やってあげてください。
また、本人が辞める時に何も言わなかった場合には、その人に失業給付の受給資格がなかったとしても、離職証明書は作って出さなければなりません。
なお、離職証明書の事業主控えは4年間の保管義務がありますので、ご注意ください。