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コラム

労働行政 是正勧告

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

労働基準監督署から労働基準監督官が事業場に調査に来ることになった場合の話です。

どんなことを調べるのかというと、労働基準法などに定められた労務管理を適正に行っているかどうかを調べるのです。

なので、法定帳簿と言われる労働者名簿・出勤簿・賃金台帳の確認、所定労働時間や所定休日、労働時間の管理状況、有給休暇の取得状況、雇い入れ時や定期の健康診断の実施状況などのチェックは必須です。

当然に、労務管理を行う根拠となる就業規則、36協定などの届出内容と実態との整合性も見られますし、タイムカードに記録されている残業の状況が支払い賃金に正しく反映されているかどうかもチェックされます。

また、安全衛生管理体制がきちんとできているかの確認も近年は厳しさを増しています。

つまり、衛生管理者、安全管理者、産業医などの選任や衛生委員会、安全委員会などの設置・開催状況です。

それで違法状態が認められたら「是正勧告書」という書面を交付される形で問題を解消するように勧告されます。

指摘された問題については是正期限が設定されますから、会社はその期限までに改善するように努めなければなりません。

改善できるものはさっさと改善していって、期限に間に合わない事項があれば、それは期限の延長を監督官に願い出ます。とにかく放置は厳禁です。

監督署には「是正報告書」として改善点を報告します。

一番問題になるのは未払い賃金の支払いですが、是正勧告書には「いくらいくら払え」という直接的な書き方はされません。

法定の割増賃金を支払っていないことの指摘があって、それを是正する必要がありますよと勧告してくるわけです。

会社はその未払い賃金の存在を確認する内部調査を行って事実を確認し、過去の未払い賃金の精算を行い、将来に向かっては適正に支払っていくということです。

問題はその精算期間ですが、会社の財務内容によっては、きっちり遡って精算することによって倒産の危機に追い込まれることも考えられます。

このお金のやりとりは会社と従業員との間の話ですから、民事です。少なくとも監督署は債権者ではありません。

ですから、勧告の内容が仮に過去2年間遡って精算しなさいということであっても、労働者とはご相談の余地があるはずです。

実現可能な解決策を上手に探っていかなければならないということでしょうね。

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