医療機関の労務 パート、アルバイトの契約
こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。
だいぶ前の話ですが、平成15年に厚生労働省から「有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準」という告示が出されています。パートタイムやアルバイトなどで、期間を決めて看護師や事務員を雇う場合が多いと思いますので、どういうものか知っておいていただきたいと思います。
A. 労働契約を結んだとき=採用が決まったらやること
① 院長はその契約を更新することがあるかないかを明らかにしなければなりません
② 更新することがあるという場合、更新するかしないかの判断基準を明らかにしなければなりません
③ 契約を結んだ後になって上記①、②を変更する場合、すぐに知らせて説明しなければなりません
B. 雇い止めの予告=契約期間満了で辞めてもらう人に対してやること
① 労働契約の更新をすでに3回以上している人、または、1年を超えて継続して雇用されている人で、今度の更新機会には更新しないという場合、契約満了日の30日前までに、そのことを予告しなければなりません
② あらかじめ、ずっと前から、次は更新なしと伝えている場合は、あらためて30日前までに予告する必要はありません
C. 雇い止めの理由の証明書
① 院長は、雇い止めを予告した後にその理由についてその人から証明書を請求された場合、証明書を発行しなければなりません
② 雇い止めをした後に請求された場合も同様です
D. 契約期間についての配慮
院長は、契約を1回以上更新し、かつ、1年を超えて継続して雇用している人との契約を更新しようとする場合、契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。もちろん本人の希望や病院の都合を考慮してという話ですが。
以上のように、パートやアルバイトの契約で採用するときには、辞めてもらうときのことを考えて手を打っておくということと、比較的長く安定して働いていた人に辞めてもらうような場合は、しっかり期間をとって用意周到に事を進めていくことが重要です。本人ともよくコミュニケーションをとって、トラブルなく円満に期間満了を迎えられるよう気を遣うことが大切です。