就業規則 前文
こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。
これから暫くのあいだ、就業規則のお話をしていこうと思います。
就業規則の第1章は大抵、目的とか定義づけとか適用範囲とかいったことを書きますが、その前に、こんなことを書いてみてはどうでしょう。
例えば、院長が考える理想の医療とか、開業を決意した思いとか、職員に対してどうあってもらいたいのか、患者にどう接してもらいたいのかといったメッセージでもよいと思います。院長を中心にして、この医療機関が一つのチームとなって歩んでいこうとする心意気みたいなものを職員に訴えてみららどうかと思うのです。
そういう思いを伝える場は、開院の時、新しい職員を採用した時、半年か一年に一度の職員研修や集会の時など、節目節目で設けた方がいいのだろうと思います。職員一人一人が院長の手足となって具体的な業務を日々こなしてくれているのですから、頭脳である院長の大方針はチームの末端にまで染み込ませておく必要があると思うからです。
それと並行して、明文化したものが常に存在することの意義は大きいと思います。しっかりした就業規則の効果は、全員に共通のルールを公にしている点で、上司のその場しのぎの言い逃れや職員個々への差別的な扱いを防ぎ、皆がそれぞれの持ち場で仕事をする上で安心感を与えていることだと思います。言い換えれば、就業規則は職員の就業についての拠り所となるものです。
そういう存在である就業規則に院長の根本的な思想がちゃんと書かれているのは、いいことではないかと思います。他にそういうことを書いておく場はなかなかないでしょう。
ただし、あんまり長々と、ご先祖様から受け継いできた医者としてのDNAなんかを誇らしげに綴られると、これも押し付けがましく受け取られかねないので、コンパクトにまとめた方がスマートで美しいと思います。