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コラム

労災 通勤災害

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

通勤時の災害は、業務に入る前か業務を終えた後というタイミングでの災害であって、業務上の災害には当たりません。

業務上の災害でなければ原則として労災保険は適用されないのではないか、それは健康保険の適用になるのではないか、という疑問が湧いて当然かと思います。

実は、労災保険の適用範囲に通勤災害が入ったのは昭和48年の法改正からで、それまでの労災保険には通勤災害は入っていませんでした。

法の根本的な趣旨は労働者を保護する事ですから、業務中だけでなく、業務に就くための移動中と業務後の帰宅途中の災害も面倒を見てあげるべきだという考えになったんですね。

ただし、その移動が確かに業務に関わる移動なのか、言い換えれば、それは本当に「通勤」と言えるのかということについては厳しくチェックされます。

つまり、「通勤」ならば、家と会社との間は無駄のないルートで往復しているはずで、その途中でケガをしたのなら通勤災害と認めるけれども、何か私的な用件があって全然違うルートを通って帰ったとか、寄り道したとかいう場合には、正しい通勤ルートから外れて以降はすべて通勤とは認めないというルールになっています。

例えば、仕事が終わって一杯飲んで帰る場合、居酒屋に向かおうとして正しい通勤ルートから外れた途端に「通勤」でなくなります。毎日通っている居酒屋だから、その居酒屋も通常の通勤ルート上だという主張は通りません。

ただし、近年の法改正で、日常生活に直結した行為を行うために正しい通勤ルートから外れた場合は、その用件を終えて正しい通勤ルートに戻ったところから、また通勤途中とみなされるようになりました。いつものコンビニでいつもの夜弁当を買い物したとか、保育所に寄って子供を引き取ったとかいう場合です。ルートから外れている間はダメですけどね。

ケガは分かりやすいので例をさらっと並べてみると、通勤途中で自動車にひかれた、電車が急停車して転倒した、駅の階段から転落した、建設現場から落ちてきた物が当たった、犬に咬まれた、などは労災として認定されたことがあります。

ただ、故意にケガをするようなことをやった場合は認められません。嫌いな人に出くわして喧嘩をしかけて殴られたとか、自殺とか、そういうのは通勤災害ではありません。

また、通勤による疾病というのもあり得ます。

例えば、通勤途中で、転倒したタンクローリーから流れ出た有毒物質によって急性中毒にかかったといった場合です。

が、通勤途中で雨に降られて風邪をひいたというのはダメです。災害ではありませんから。

それから、通勤の方法についても合理的であることが求められます。

合理的でない通勤方法を考えた方が分かりやすいかと思いますので、ダメな方法を挙げてみます。

経路が無駄のないルートであっても、無免許運転や飲酒運転で事故を起こした場合は認められません。

違反がらみで、免許不携帯とか更新忘れで無免許状態の運転という程度では通勤災害と認められたことがありますが、保険給付は100%ではなかったようです。

いろいろありますね。

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