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コラム

就業規則 社員の定義

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

病院で働く職員には、正規の職員のほか、パートタイマー、臨時職員、アルバイト、嘱託職員、派遣職員、出向職員など、さまざまな立場の人がいます。

労働条件に違いがなければ一つのカテゴリーにまとめて、同じルールに従ってもらってもよいと思いますが、現実的にはいくつかの種類に分けないとトラブルになる可能性が出てきます。

パートタイマーについてはパートタイム労働法という法律があって、同じ短時間労働者でも仕事の内容と責任、人事異動の有無やその範囲、契約期間などによって、賃金の決定や教育訓練、福利厚生の面で、正規の職員と全部同じ、一部同じ、全く違うという風に区別しなければならないことになっています。

繁忙期だけ手伝ってもらう1か月以内の労働契約(更新なし)を「臨時職員」とするとか、学生に社会勉強させるつもりで雑務を数週間手伝わせる(更新なし)を「アルバイト」とするとか、定年後の再雇用者(1年契約、更新あり、退職金なし)を「嘱託職員」とするとか、はっきり分けておくべきです。その上で、採用のときには本人に、どの立場で入ってもらうのか、それによって給料はどうで、昇給はどうで、賞与はどうで、退職金はどうで、契約更新はどうで、異動はどうで、等々の可能性や範囲を書面で伝えておけば、後でぐずぐずになりません。

もちろんそれは病院にとってのトラブル防止、リスク回避、組織防衛という目的を果たすための予防線になるのですが、病院の都合ばかりが目につく就業規則では職員のやる気が失せてしまいます。

就業規則は事業運営がうまくいくように作られていなければ意味がありません。端的に言って、儲かる就業規則でなければいけないと思います。職員の意欲を削ぐ就業規則ではだめなのです。

つまり、職員にとって、しっかりした就業規則はメリットがあるものなのだということを理解してもらいたいのです。

例えば、職員の区分けをきちんとすることで、自分の職務の守備範囲が明確になり責任感を持って取り組める、規則の曖昧さにつけ込んで秩序を乱すモンスターが入ってくる隙がないため落ち着いて働ける、他の人との立場の違いがはっきりするため不公平感なく労働条件を受け入れられる、など職員の働きやすさに配慮したルールなのだという切り口で説明することが大切です。

所属の部署名やポジションは一目で分かるけれども、肝心の業務の守備範囲や責任の所在がはっきりしていないと、運営上、どうしても他部署と重複が出てきたり、逆に、誰も手をつけないで放置される業務が出てきます。つまり仕事の無駄やミスが増え、効率も正確性も落ちます。そんなところに限って協調性に欠けた職員が業務を引っ掻き回したりするもので、そうなると、他の職員の勤労意欲も落ち、来院する患者さんにも悪い印象を与えてしまいます。

結局それは売上ダウンに繋がり、職員に還元されるべき給与が増えないことになります。福利厚生にも響きます。みんなの足を引っ張って売上のじゃまをしている張本人の給料を他のみんなで稼いであげていることになります。それはばかばかしいではありませんか。

そういうことを避けて、みんなで協力して効率よくしっかり稼いで、よりよい環境と待遇で楽しく仕事に取り組めるようにしようではありませんか。そのための就業規則なのであって、その前提となる職員の定義づけを、まず初めにしているのです。

経営者にとっても、職員にとっても、メリットの大きい就業規則を作りましょう。きっと利益に貢献する運営ノウハウになるはずです。

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