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コラム

就業規則 復職

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

業務外でけがや病気をして休職した人が治って復職するという場合、その見極めには難しいものがあります。

復職の要件となる「治癒」というのは、原則的には、元の仕事に戻っても元の通りに働けるだけの健康状態に戻ったことを意味します。ですから、大体は治ったが元の職場で前と同じように働けるとまではいかない場合は復職は認められないことになります。

暫くの間は軽い仕事に就いて、ある程度いけるようになったら通常の仕事に戻れるような場合には、会社の方で配慮してあげて、復職を認めるべきかと思います。実際に、そうしなさいという裁判の例もあります。

では、どうやって復職させるべきか否かの判断をしたらよいのでしょうか。

言葉で言ってしまえば、その職員の回復状態を十分に調べて、職場復帰できるかどうかを見極めるという話ですが、そこで重要な資料になるのが医師の診断書です。

ところが、それには「復職可能なまでに回復した」とかいう簡潔な一文しか書いていないことが多く、やっぱり判断に困るのです。

もちろん、文字通りに完全復帰の状態になっていれば全く問題なく復職してもらってよいのでしょうが、実はそうでなかったという場合は職場の足かせになります。みんなが困るのです。それで1週間もしないうちに再休職などとなったら本人にしても本格復帰が遠のいてしまいます。間違った判断は、より深刻な不幸を招くことになるのです。

そこで、診断書を書いた医師に面談して事情を聴くという規定を就業規則に作っておきます。診断書では分からない具体的な情報を入手できるようにして判断の参考にします。さらに、経営者側が指定する医師の診断を受けさせることができるような規定も入れておくとよいと思います。産業医がいれば産業医が適任でしょうね。

さて、休職期間が終わった時点で治っていなかったらどうなるでしょう。

規定上は「当然退職」です。「解雇」とは区別します。「当然退職」は「自然退職」という場合もありますし、「休業期間満了につき退職」といってもいいと思います。

当然退職は、例えば、定年に達したとか、死亡してしまったとか、契約期間が満了したとかいう場合で、労働契約が誰の意思でもなく切れたから雇用関係がなくなるという意味です。

ここまで来て実感することは、言葉の定義づけは重要だということですね。定義は就業規則にはっきりと書いておくことが大事です。

当然退職ではないパターンとしては、経営側から、または職員から申し出があって雇用関係を切るという場合です。両者の合意で辞める場合は「合意退職」、職員が一方的に辞める場合は「辞職」、経営側が一方的に辞めさせる場合は「解雇」というふうに。

はっきりと規定されていれば、後になって「辞めた」「辞めさせられた」といったトラブルは避けられます。無用な争いはお互いに疲弊しますし、職場の雰囲気が悪くなります。

気の利いた就業規則は平和な職場を支えてくれます。

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