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コラム

医療機関の労務 選考

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

厚生労働省は、採用選考に当たっては公正に行ってくださいねと呼びかけています。

現実的にどうするかはそれぞれ事情があるでしょうから改めて考えなければなりませんが、とりあえず、どんなご指導なのか見てみましょう。

まず、基本的な2つの考え方があります。

① 応募者の基本的人権を尊重して選考すること
② 応募者の適性・能力のみを基準として選考すること

要は偏った差別をするなということでしょう。

では、もう少し具体的に、何をしてはいけないかを挙げてみます。

第一に、本人に責任のない事柄は聞くなということです。つまり、応募用紙、エントリーシートなどの記入項目にするなということであり、面接などで尋ねるなということです。例えば、こういうことです。

① 戸籍謄本や本籍が記載された住民票(写し)を提出させない
② 家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成を質問しない
③ 住宅の間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設などを質問しない
④ 生活環境・家庭環境などに関することを質問しない

第二に、本来自由であるべき事項(思想信条に関わること)は把握しないということです。例えば、

① 宗教に関すること
② 支持政党に関すること
③ 人生観、生活信条に関すること
④ 尊敬する人物に関すること
⑤ 思想に関すること
⑥ 労働組合・学生運動など社会運動に関すること
⑦ 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

どうなんでしょうか。尊敬する人物や愛読書を聞いてはいけないと言われると少々窮屈な感じもしますが、真正面からそのものずばりを確認する必要はそもそもないはずですから、適性を見るための項目を工夫して、その人の志向性や他の職員との相性などを探っていけばよいのではないでしょうか。むろん、応募者が自発的に話すことについて耳を塞ぐ必要はないと思います。

第三に、身元を調査しないということです。

① 現住所の略図を書かせない
② 合理的、客観的必要性なく、健康診断を行わない

一般的に、自宅から病院まで何分かかるか、とか、健康状態を一言で尋ねるという程度なら全く問題ない質問です。

ただ、医療機関に勤務する人が感染症を持っていたり、精神疾患だったりすると非常に困ると思います。むしろ健康状態に問題があると知らずに採用することの方が問題視される可能性が高いとも言えるでしょう。

ここは採用計画段階から健康診断の合理的、客観的必要性をきちんと整理しておき、応募者にしっかり説明して理解を得た上で、健康診断書を提出してもらうべきではないかと思います。

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