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コラム

医療機関の労務 試用期間

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

職員を採用した後に「試用期間」を設けている病院はたくさんあります。

一般に試用期間は、採用決定時に十分把握できない新規採用職員の能力や適性を観察し、その評価によって本採用とするかどうかを決定する目的で設けられます。

このため試用期間の法的は性質としては、採用内定と同様に、条件付きの労働契約と考えてよいでしょう。つまり、採用された側の事情によって本採用としないとすることは比較的認められますが、病院側の事情で本採用しないとすることは困難と考えた方がよいと思います。

採用された側の事情というのは、例えばこんなことです。

① 採用選考、あるいは採用時に提出した書類や本人が述べていた内容と事実がかけ離れていた場合
② 業務の遂行に支障をきたす恐れのある既往症を隠していたことが発覚した場合
③ 正当な理由なく、無断で欠勤した場合
④ 就業規則に定めている「解雇」の事由に該当した場合

試用期間に関して定めた法律はなく、その長さについてもこれといった制限はありません。一般的には1か月から3か月程度が妥当と言われますが、長くても1年ではないでしょうか。極端な例ですが、あまり長期にわたる試用期間(通算2年3か月)は公序良俗に反するため無効である、とされた裁判の例があります。

なお、試用期間の途中で本採用しないことに決める場合、試用開始から14日を超えていたら、30日前に解雇を予告するか、その日数分の平均賃金の支払いをする義務が生じます。逆に言えば、14日を経過していない場合は解雇予告手当を支給することなく即日解雇できることになります。もちろん、解雇事由や解雇に至るプロセスはきちんとしていないと後々トラブルになってしまう危険があるので注意が必要です。

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