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コラム

医療機関の労務 宿直・日直勤務

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

病院・診療所の特徴的な勤務形態の一つに宿直・日直勤務があります。

この勤務は、通常の業務が終了した後から翌日の始業までの時間や法定休日や所定休日に、電話の応対、火災予防等のための巡視、非常事態に備えた待機など、常態としてほとんど労働する必要のない勤務をいいます。

この宿直・日直勤務は、断続的労働として所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合には時間外・休日労働の割増賃金を支払わなくてもよいこととなります。この許可を受けるには、以下のような一定の要件を満たす必要があります。

① 通常勤務の拘束から完全に解放された後である
② 常態として、ほとんど労働する必要のない勤務を原則とし、それ以外には、病室の定時巡回、異常患者の医師への報告あるいは少数の要注意患者の定時検脈、検温等、特殊な措置を要しない、軽度の、または短時間の業務に限る
③ 宿直勤務は週1回、日直勤務は月1回を限度とする
④ 宿直勤務のために相当の睡眠設備の設置が必要で、夜間に十分睡眠がとりうる

なお、入院患者の容態急変や救急患者への対応、出産など、宿直・日直勤務中に通常の業務に就く場合はありますが、夜間に十分な睡眠時間が確保できる場合には、この許可が取り消されることはありません。また、突発的に就くこととなった通常業務時間に対しては割増賃金を支払うことが必要になります。

しかし、宿直・日直勤務中に通常の業務に頻繁に就くこととなり、夜間に十分な睡眠時間が確保できないといった、常態として昼間と同様の業務になる場合には、宿日直勤務の許可が取り消されることになります。このような場合には、交替制の導入といった対応策が必要となります。

許可を受けた業務の内容とその実態がかけ離れている場合は、労働基準法違反となり、当然、厳しい指導、罰則の対象となります。

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