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コラム

医療機関の労務 解雇に必要な要件

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

経営が思わしくないから、とか、仕事の出来が悪いから、と言って職員を自由に解雇できるわけではありません。

下記の要件を満たさない解雇は無効とされる可能性大です。場合によっては、解雇無効とか、使用者の解雇権濫用を不法行為とする損害賠償請求などで裁判所に訴えられることもあります。そうすると、まず、賃金仮払いの仮処分申請が出され、それが通ると、解雇したつもりの時点からの賃金を支払わなければなりません。

そこから先は、判決が出るまでの1~2年間、実際に働いてもいない、クビにしたはずの人間に給料を払い、高い弁護士費用を払い、慣れない公判に神経をすり減らし、近所には悪いうわさが広がったりして、良いことは一つもありません。

これで裁判に負けてしまった日には、損害賠償金をどっかり支払わされるだけでなく、顔も見たくない元職員に戻って来られ、職場の雰囲気は最悪です。

解雇に必要な要件

① 該当する解雇事由が就業規則にあること
② その解雇理由が客観的に合理的であること
③ 解雇のための正しい手続きを踏んでいること

解雇の話を聞いていると、よく「客観的に合理的な理由」というフレーズが出てきます。どのような場合がそうなのかは具体的に法律に書かれているわけではありません。裁判の例の積み重ねで、だんだんはっきりしてきたかな、という感じです。

噛み砕いて言ってみると、こんな感じです。

① 就業規則に解雇事由の項目としてちゃんと書いてあり、それにぴったり該当すること
② その人のやったことが解雇にあたるということが世間一般の考え方からして妥当と思われること
③ 解雇処分が、他の従業員の処分とバランスがとれていること
④ 解雇に至る手続きが経営者側の一方的な進め方でなく、それなりにフェアであること

他にもケースバイケースでいろいろと検証されるのですが、最低限、解雇事由として就業規則にぴったり当てはまる規定がないと解雇はできません。

解雇は、その人の収入の道を断つことになるわけですから、その人が路頭に迷っても仕方ないというくらいの悪行を犯したのでないと、解雇はできないと考えるべきでしょうね。

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