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コラム

外国人の雇用 退職

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

例えば、人文知識の在留資格で翻訳や通訳の業務を行っていた外国人従業員が退職したいと言ってきました。

その人は次の仕事が決まっているわけではなく、失業手当をもらいながら転職先を探したいと言っています。在留期間はあと2年近く残っています。

会社は、特に慰留しないのであれば、退職のための手続きを取ることになります。

雇用保険では、ハローワークに資格喪失届と離職証明書を出しますが、平成19年10月からは外国人雇用状況報告書という書類も同時に提出しなければならなくなっていますので忘れないようにしてください。

肝心なのは退職証明書の発行です。これは本人に渡すものですが、入管にも提出しなければなりません。この書類によって、在留資格に対応する要件を満たさない状態になったことが入管に知れることになります。

会社は他に厚生年金保険と健康保険の資格喪失手続きをします。年金については国民年金への加入が必要であること、健康保険については国民健康保険に入るか、健康保険の任意継続被保険者になるかの選択肢があることを説明してあげるとよいでしょう。

さて、問題は本人のその後です。

退職した時点で、適正な在留資格を持ち合わせていない状況になりますから、早く手を打たなければなりません。

離職票がハローワークから届いたら(会社経由かもしれません)、それを持ってハローワークに行き、求職の申し込みをし、同時に失業手当の給付申請をします。

さあ、失業給付がいつからもらえるか、本人は分かっているでしょうか。

自己都合退職の場合、支給開始まで3か月間のお預け期間があります。すぐもらい始めることができて、次の仕事を探せると思っていたとしたら、ショックでしょうね。

退職希望時点で、退職後のシミュレーションをしておく必要がありますね。会社はしっかりと相談に乗ってあげたいものです。

失業中の在留資格については、対応するものがありません。無資格です。

ですが、それをもって不法滞在にはなりません。きちんと継続して求職活動を行っていることにより、在留期限まで活動することは可能です。

もし、求職活動をせずに3か月が経過したら、法が定める「在留資格の取消し事由」に該当します。こうなると帰国以外にありません。

つまり、この人は一刻も早く仕事を見つけなければなりません。

同じ人文知識の在留資格で翻訳や通訳の仕事があれば比較的スムーズに手続きできると思いますが、別の在留資格を必要とする仕事(起業を含みます)に入るのであれば資格の変更をしなければならず、それはかなり困難と言えるでしょう。

失業給付も3か月間は出ませんし、支給が始まっても金額は給料の6割程度で、支給される期間はそれまでの被保険者期間によっていろいろですが、まあ、90日か120日という人が多いと思います。

最終的なタイムリミットは在留期限の日ですが、それまでに新しい仕事が得られる保証はありません。

もし退職するなら、次の仕事がはっきり決まって、確実に継続在留できる見通しをもって、決断すべきだと思います。

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