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コラム

雇用保険 高齢のため退職した人の失業給付

こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。

例えば、68歳まで会社で働いて、「そろそろ、いいんじゃないですか?」などと肩たたきされて辞めたのですが、ご本人はまだ働く気持ちもあるし元気もあるので、再就職先が見つかるまでの間、失業の給付を受けたいと思っています。

こういう場合、雇用保険的にはどういう扱いがあるのでしょうか。

最近は国の方針が変わって、国民は生涯現役を目指して働きましょうと言っていますが、従来は65歳までが現役世代とされていました。

65歳になったら原則的には老齢基礎年金が出るわけですから、現役引退でも収入が切れることはないと言えます。

もちろん、年金がその後の生活に十分なだけ支給されるのかというと疑問はありますが、国の制度としては無策期間がないということです。

そこで、失業の給付も手厚いのは65歳までとなっています。

雇用保険の保険料も、毎年4月1日時点で64歳に達している人については本人も事業主も払わなくていいことになっています。

65歳までは「一般被保険者」といって現役扱いなのですが、65歳になる日をまたいで同じ会社で働いていると「高年齢継続被保険者」という別の扱いの被保険者になります。

この大きな違いは、労働者として保護される度合いというか、手厚さが違います。

一般被保険者は失業して再就職するまでの間は(一定の条件はありますが)、所定給付日数の限度において、基本手当が支給されます。

一方、高年齢継続被保険者が失業しても基本手当は出ません。とりあえず、年金もらってるからいいでしょ、ということですね。

で、雇用保険から何が出るかというと、「高年齢求職者給付金」というのが出ます。

受給のための条件は次の通りです。

①離職の日以前の1年間に被保険者期間が6か月以上あること
②離職して1年以内に公共職業安定所に行って、求職の申し込みをして、失業の認定を受けること

この条件をクリアすると、以下の額の高年齢求職者給付金が支給されます。

①離職前の在籍期間が1年未満の場合は、基本手当の日額の30日分
②離職前の在籍期間が1年以上の場合は、基本手当の日額の50日分

これは一時金で、失業の認定1回で、つまり、職安に行った日に失業していれば、所定の金額まとめてもらえます。

前日までアルバイトで働いていようが、失業認定日の次の日に就職しようが、返したりする必要はありません。

ただ、待期とか給付制限とかの規定は適用されるので、職安に行って、2、3日で口座に入金されるかというと、そんなことはなく、離職の理由によっても違ってきます。

また、この給付金をもらった後、再就職しても、もう雇用保険の被保険者になることはありません。

従って、その先いくら働いても失業後に受給できる雇用保険の給付はありません。

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