就業規則 周知義務
こんにちは。江東区のたつみ社会保険労務士事務所代表、水本です。
労働基準法では、使用者に対して、就業規則の
①作成
②労働者代表の意見聴取
③労働基準監督署への届出
④労働者への周知
を義務付けています。
例えば使用者が労働者を懲戒するときには、あらかじめ就業規則に懲戒の種別と事由を定めておかなければなりませんが、労働者代表の同意を得て就業規則が作られていて、監督署に届け出されていても、労働者への周知手続きができていなければ、その就業規則に定められた懲戒は無効になってしまうということです。
作成だけではなく、変更のときも同じ手続きは必要です。
就業規則の周知方法は、
①常時各作業場の見やすい場所に掲示、または備え付ける
②印刷して各労働者に配布する
③サーバーにデータを置いておいて、いつでも内容を確認できるようにしておく
のいずれか(3方法に限定するわけではなく、実質的に周知できればOK)を実施しなさいと定められています。
これが例えば、朝礼などで概略を説明しただけで周知したと主張しても通じないでしょう。
規程に基づいた決定や手続きがそうしたことで法的に無効と判断された場合、会社としてのダメージは大きいものになります。
特に賃金や退職金などお金に関することや懲戒といったシビアな人事に関することは、会社の財務、対外的な信用、従業員の働く意欲や会社への信頼といった経営の根幹にかかわる問題につながります。
労働関係の法改正が特に近年頻繁に行われていることを考えあわせても、社内規程のメンテナンスと運用には不断の注意が必要だと言えます。